Qwen Code は、Alibaba の Qwen チームが公開しているオープンソース(Apache-2.0)の AI コーディングエージェントです。使い方の流れは「インストール → プロジェクトで qwen を起動 → /auth で接続先を設定 → タスクを頼む」の 4 段階。ただし 2026年4月15日に無料の Qwen OAuth 枠が終わったため、それ以前の解説どおりにログインしても無料では動きません。このページでは、いまの /auth メニューに沿った始め方、日本語表示への切り替え、Claude や GPT を使うためのカスタム設定、よく使うコマンドを順に説明します。最新版は 2026年9月29日に npm に公開された v0.24.7 で、リリースは週に 1 回以上のペースなので、手元のバージョンは qwen --version で確かめてください。
インストール
公式 README の手順です。スタンドアロン インストーラーなら Node.js を自分で用意する必要はありません。npm を使う場合だけ Node.js 22 以上が必要です。
# macOS / Linux(公式のスタンドアロン インストーラー)
curl -fsSL https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.sh | bash
# Windows(PowerShell)
irm https://qwen-code-assets.oss-cn-hangzhou.aliyuncs.com/installation/install-qwen-standalone.ps1 | iex
# npm(Node.js 22 以上が必要)
npm install -g @qwen-code/qwen-code@latest
# Homebrew(macOS / Linux)
brew install qwen-codeインストール後は、環境変数を反映させるためにターミナルを開き直してください。Qwen Code はもともと Google Gemini CLI v0.8.2 をベースにしていましたが、v0.1 以降は上流との同期をやめて独自に開発されています。Gemini CLI の設定や無料枠はそのまま当てはまりません。
最初の起動と日本語化
cd /path/to/your-project
qwen
# セッション内で:
/language ui ja-JP # 画面表示を日本語に
/language output Japanese # モデルの回答を日本語に
/auth # 接続先と API キーを設定/language ui ja-JP で画面が日本語になり、以降の画面には「認証方法を選択」「ツール承認モード」といった Qwen Code 自身の日本語表示が出ます。このページでも同じ表記を使います。回答言語は UI 言語とは別で、/language output Japanese で指定します。
ターミナル以外にも、デスクトップアプリ、ブラウザで開く Web UI(qwen serve --open、実験的機能)、VS Code・Zed・JetBrains 向けの連携、スクリプトや CI 用のヘッドレス実行(qwen -p "...")が用意されています。どれも同じ無料のリポジトリに含まれ、推論代は別です。
/auth で接続先を選ぶ
/auth(別名 /login)を開くと「認証方法を選択」画面になり、トップレベルの選択肢は三つです。Qwen OAuth を選ぼうとすると「終了 — Coding Plan または API Key に切り替えてください」と表示されます。
| 選択肢 | 中身 | 料金の単位 |
|---|---|---|
| Alibaba ModelStudio → Coding Plan | 個人向けサブスク。キーは sk-sp- で始まる | リクエスト数(Pro は月 $50、5 時間 6,000 回・週 45,000 回・月 90,000 回の上限が同時にかかる) |
| Alibaba ModelStudio → Token Plan | Credits 制のプラン。現在はシンガポールリージョンのみ販売 | 月ごとの Credits(個人 Lite $8〜Pro $80、期間限定価格あり) |
| Alibaba ModelStudio → Standard API Key | 既存の ModelStudio の API キーを使う | トークン従量課金(入力長で段階的に単価が上がる) |
| Third-party Providers | OpenRouter、ModelScope などにブラウザでログイン | 各プロバイダーの料金 |
| Custom Provider | ローカルサーバー、プロキシ、未対応のプロバイダー(自分の API Key を使用) | 接続先の料金 |
ModelStudio の三つは同じ請求の払い方違いではありません。ドキュメントはそれぞれに別のエンドポイントと別のキーを割り当てていて、キーの種類と baseUrl が合っていないと動きません。Coding Plan は 2026年10月1日時点で「数量限定・先着順、毎日 0 時(UTC+8)に補充」と表示されていて、申し込める日とそうでない日があります。Coding Plan の 1 回の依頼は内部で複数のモデル呼び出しになり、Alibaba によれば単純なタスクで 5〜10 回、複雑なタスクで 10〜30 回以上消費します。料金の比べ方は英語版の Qwen Code pricing で詳しく扱っています。
Claude や GPT を使う:settings.json で Custom Provider を設定
Qwen Code の認証ドキュメントは、OpenAI、Anthropic、Google、OpenRouter、自前のエンドポイントなどサードパーティにつなぐ方法として、~/.qwen/settings.json の modelProviders を推奨しています。Kunavo の場合は次のとおりです。
{
"modelProviders": {
"openai": [
{
"id": "claude-sonnet-5",
"name": "Claude Sonnet 5 (Kunavo)",
"baseUrl": "https://api.kunavo.com/v1",
"description": "Kunavo, OpenAI 互換",
"envKey": "KUNAVO_API_KEY"
}
]
},
"security": {
"auth": {
"selectedType": "openai"
}
},
"model": {
"name": "claude-sonnet-5"
}
}# キーは settings.json に直接書かず、.qwen/.env か環境変数に
echo 'KUNAVO_API_KEY=sk-kn-...' >> ~/.qwen/.env押さえておくべき点は四つです。
baseUrlは/v1まで。モデルプロバイダーのリファレンスは「/v1/chat/completionsではなく API の/v1ルートを指定する。リクエストパスは SDK が付け足す」と明記しています。パスまで書くと認証エラーではなく 404 になります。- キーの置き場所。Qwen Code は
envKeyで指定した変数名で環境から読みます。優先度はシェルのexport、.env(.qwen/.env推奨、最初に見つかった 1 ファイルだけ)、settings.jsonのenvの順で、最後のものは平文保存なのでおすすめしません。 - CLI フラグより設定ファイルが勝つ。解決順序は
/authで入力した値 → 選択中のmodelProviders→ CLI 引数 → 環境変数 →settings.jsonの順。--openai-base-urlが無視されるように見えるのはこのためです。古い解説にあるsecurity.auth.apiKeyとsecurity.auth.baseUrlは非推奨です。 - まずは Chat Completions で。
wireApiを省略すると Chat Completions 形式になります。"responses"にするとエンドポイントの自動判別もフォールバックもありません。modelProvidersの編集は起動中のセッションにもすぐ反映されます(/modelを開き直すと出てきます)。
Kunavo のカタログに Qwen のテキストモデルはありません。これは Qwen を安く使う方法ではなく、Qwen Code の中で Claude や GPT を一つのプリペイド残高で使う方法です。また、Kunavo は Qwen Code を自社エンドポイントに対して実際に動かした検証をしていません。設定は英語のQwen Code 設定ページと同じく公式ドキュメントから作成したものです。いま動いている経路は残したまま試してください。
最初のタスクとよく使うコマンド
README の例どおり、まずは「このリポジトリを説明して、どこから読めばいいか教えて」のような依頼から始めると、ファイル読み取りとツール呼び出しが一通り動くかを確かめられます。挨拶だけでは接続の問題は見つかりません。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
/init | カレントディレクトリを解析して最初のコンテキストファイルを作る |
/model | 使うモデルを切り替える(modelProviders に登録したものがプロトコル別に並ぶ) |
/approval-mode | ツール承認モードを変える。default は編集ごとに承認、auto-edit は編集を自動承認、yolo はシェルやネットワークも含め全部自動 |
/compress | 会話履歴を要約に置き換えてトークンを節約する |
/stats(/usage) | 使用量の統計。/stats model でモデル別のトークンと推定コスト |
/restore | ツール実行前のチェックポイントにファイルを戻す |
/resume | 以前のセッションを再開する |
/clear | 会話履歴を消してコンテキストを空ける |
/help | コマンド一覧 |
yolo などの自動承認モードは、ドキュメント自身が「信頼できる、サンドボックス化された、または使い捨ての環境でだけ使うこと」と警告しています。/stats model の推定コストは Qwen Code の計算で、請求額そのものではありません。実際の金額は接続先の利用記録で確認してください。
知っておきたい制限
- 組み込みの web_search は接続先で決まります。DashScope のサーバー側検索を使うため、ModelStudio の Standard API Key と Token Plan、認識された DashScope ホストを指すエントリでは有効、Coding Plan では無効(そのエンドポイントで未検証のため)、サードパーティやほかのホストのカスタムエンドポイントでは無効です(web_search のドキュメント)。必要なら MCP の検索サーバーを追加します。
- Kunavo の経路はチャットだけ。Kunavo には埋め込み、音声合成、音声認識のモデルがありません。Qwen Code の Live Voice は DashScope のエンドポイントが必須なので、チャットのモデルをどこに向けても別のキーのままです。
Kunavo を試す場合の支払い
Kunavo はプリペイドのチャージ制で月額はなく、トークン単位で残高から差し引きます。最低チャージは $10 で、Stripe のチェックアウトでカード(Visa、Mastercard、American Express、JCB)、Apple Pay、Link が使えます。請求の説明を確認のうえ、アカウントを作成してキーを発行してください。最初の依頼のあとは利用記録で実際の請求額を確かめるのが確実です。
FAQ
Qwen Code は無料で使えますか?
ソフトウェア自体は無料です(Apache-2.0)。ただし無料で使えた推論枠は終わっています。Qwen Code の認証ドキュメントによると、Qwen OAuth の無料枠は 2026年4月15日に終了し、/auth の選択肢からも外れました。「1日 2,000 回まで無料」という解説は 2026年2月の v0.9.0 までの話です。いまは Alibaba Cloud の Coding Plan・Token Plan・従量課金の API キー、OpenRouter などのサードパーティ、または自分で設定するカスタムエンドポイントのどれかで、推論代を払う前提になります。
Qwen Code のインストールに必要なものは?
公式のスタンドアロン インストーラー(macOS/Linux は curl、Windows は PowerShell の irm)を使えば Node.js は不要です。npm で入れる場合は Node.js 22 以上が必要で、コマンドは npm install -g @qwen-code/qwen-code@latest。Homebrew なら brew install qwen-code です。インストール後はターミナルを開き直してから、プロジェクトのディレクトリで qwen を実行します。
Qwen Code の画面を日本語にできますか?
できます。セッション内で /language ui ja-JP と入力すると UI が日本語になり、/language output Japanese でモデルの回答言語も日本語に固定できます。組み込みの UI 言語は簡体字中国語、英語、ロシア語、ドイツ語、日本語、ポルトガル語(ブラジル)、フランス語、カタルーニャ語です(コマンドのドキュメント、2026年10月1日確認)。
Qwen Code で Claude や GPT を使えますか?
使えます。~/.qwen/settings.json の modelProviders に OpenAI 互換のエンドポイントを登録すると、モデル ID はそのままエンドポイントに渡されるので、そこが Claude や GPT を提供していれば動きます。baseUrl は /v1 までにします(/v1/chat/completions まで書くと 404 になります)。Kunavo はこの設定を Qwen Code のドキュメントから作成して公開していますが、実際に Qwen Code を動かした検証はしていません。
--openai-base-url を付けても反映されないのはなぜですか?
modelProviders のエントリのほうが優先されるからです。ドキュメントの解決順序は、上から /auth で入力した値、選択中の modelProviders の baseUrl と envKey、CLI 引数、環境変数、settings.json の順です。エントリを選んでいる限り、その baseUrl がフラグに勝ちます。エントリを直すか、フラグを効かせたいならエントリを外してください。
2026年10月1日に確認:Qwen Code の README、認証・モデルプロバイダー・コマンド・web_search の各ドキュメント(main ブランチ)、日本語 UI 文字列(packages/cli/src/i18n/locales/ja.js)、npm の @qwen-code/qwen-code 0.24.7、Alibaba Cloud の Coding Plan と Token Plan のページ。Kunavo は Qwen Code を自社エンドポイントに対して実行していません。