Cline は VS Code などのエディタで動く、オープンソースの AI コーディングエージェントです。使い方は 3 段階 — 拡張機能を入れる、API プロバイダーとキーを設定する(Cline 自体にモデルは入っていません)、Plan モードで計画を立ててから Act モードで実行する。費用を決めるのは Plan と Act に割り当てるモデルで、設定の「Use different models for Plan and Act」をオンにし、Plan に claude-opus-5、Act に claude-haiku-4-5 を同じキーで割り当てると、20 ステップのタスクが全部 Opus 5 の約 $1.24 から約 $0.40に下がります(Kunavo の単価で計算)。
日本語の解説記事の多くは、インストールと最初の依頼までで終わり、モデルは無料モデルか 1 つの有料モデルに固定したままです。このページはその次 — Plan と Act にモデルを分ける設定と、1 タスクの費用の計算 — までを 1 本のキーで通します。
Cline とは — Plan と Act の 2 つのモード
Cline はファイルを読み、差分を提案し、ターミナルでコマンドを実行し、その結果を読んでまた直す、というループを回すエージェントです。モードは 2 つあり、Cline の公式ドキュメントでは次のように分かれています。
- Plan モード:コードベースを読み、検索し、方針を相談する。ファイルの変更やコマンドの実行はできない。
- Act モード:Plan での会話の文脈を引き継いだまま、ファイルを変更し、コマンドを実行する。
この分け方が、そのまま費用の分け方になります。Plan は往復が少なく、ここでの判断の質が後に続く十数ステップを左右します。Act は往復が多く、毎回タスクの文脈を送り直すので、トークン単価が積み上がります。強いモデルを Plan に、安いモデルを Act に — Cline のドキュメント自身も、計画には推論の強いモデル、実装には速いモデルという組み合わせを挙げています。
インストールと最初の設定
- VS Code で拡張機能ビュー(Ctrl / Cmd + Shift + X)を開き、「Cline」を検索してインストールします。Cursor、Windsurf、JetBrains の IDE などにも入ります。
- サイドバーの Cline を開き、設定(⚙︎)で API Provider に「OpenAI Compatible」を選びます。
- Base URL、API Key、Model ID を入れ、Model Configuration の欄(コンテキスト長、最大出力、画像対応、入力・出力の単価)を埋めます。
API Provider OpenAI Compatible
Base URL https://api.kunavo.com/v1 # /v1 まで入れる
API Key sk-kn-... # /app/keys で発行(表示は一度きり)
Model ID claude-opus-5Base URL は /v1 まで入れてください。Cline はその後ろにルートだけを付け足すので、/v1 が無いと 404 になります。401 が返るなら URL は合っていて、キーが違います。いきなり編集を任せず、まず「このファイルを説明して」のような小さな依頼で接続を確かめるのが安全です。キーは /app/keys で発行し、表示は一度きりなのでその場で保存します。
Model Configuration の Input Price / Output Price は、Cline がタスク中に表示する費用の計算元です。エンドポイントから自動では取得されないので、空欄や既定値のままだと表示される費用がずれます。使うモデルの 1M トークンあたりの単価を入れておきます。設定項目の一覧は Cline の連携ドキュメント にあります。
Plan と Act にモデルを分ける
設定で「Use different models for Plan and Act」にチェックを入れると、Plan 側と Act 側で別々のモデルを選べるようになります。Base URL とキーは両方同じで、変えるのは Model ID と単価だけです。
[✓] Use different models for Plan and Act
── Plan Mode ─────────────────────────────
API Provider OpenAI Compatible
Base URL https://api.kunavo.com/v1
API Key sk-kn-...
Model ID claude-opus-5
Context Window 200000
Max Output Tokens 64000
Image Support on
Input Price 2.00 # 1M トークンあたり USD
Output Price 10.00
── Act Mode ──────────────────────────────
API Provider OpenAI Compatible
Base URL https://api.kunavo.com/v1
API Key sk-kn-... # Plan と同じキーでよい
Model ID claude-haiku-4-5
Context Window 200000
Max Output Tokens 64000
Image Support on
Input Price 0.40
Output Price 2.00Plan に Opus 5 を置く理由は単純です。Plan は全体のトークンのごく一部なのに、ここで方針を誤ると Act のステップが丸ごと無駄になります。Act に Haiku 4.5 を置くのは、計画が具体的なら残りは編集と実行の繰り返しで、ここでトークン単価が一番効くからです。
Kunavo では Claude Opus 5 と Claude Sonnet 5 が同じ単価なので、Plan を Sonnet 5 にしても費用は下がりません。Plan は Opus 5 で足ります。Claude Sonnet 5 は Anthropic の定価と同額($2.00 / $10.00)で販売しており、割引はありません。
Act が詰まったら、そのタスクだけ Act を Opus 5 に上げます。同じエラーを 2 回繰り返したら切り替えの合図です。Haiku で押し切ろうとしてステップ数が膨らむほうが、結局高くつきます。設定の Model ID を 1 つ変えるだけで、キーもエンドポイントもそのままです。
1 タスクの費用を計算する
Cline は 1 ステップごとにシステムプロンプト、タスクの履歴、読んだファイルを送り直すので、費用は時間ではなくステップ数で決まります。このサイトの他の料金ページと同じく、1 ステップを入力 25,000 / 出力 1,200 トークン、1 タスクを 20 ステップ(Plan 3 + Act 17)として計算します。
| 構成 | 1 タスク(Kunavo) | 同じ構成を Anthropic の定価で |
|---|---|---|
| 全部 Claude Opus 5 | $1.24 | $3.10 |
| Plan = Opus 5 / Act = Haiku 4.5 | $0.40 | $0.99 |
| 全部 Claude Haiku 4.5 | $0.25 | $0.62 |
Plan と Act を分けると、全部 Opus 5 で回す場合の約 32%の費用で、計画の質は Opus 5 のまま残せます。全部 Haiku にすればさらに安くなりますが、計画の誤りでやり直しが出ることを考えると、差額の $0.15 は Plan の保険料として安いほうです。検算用のコードはこれだけです。
# 1 タスクの費用を、ステップ数から出す。
# 単価は Kunavo の 1M トークンあたり USD (input, output)。
RATES = {
"claude-opus-5": (2.00, 10.00),
"claude-haiku-4-5": (0.40, 2.00),
}
def step(model, inp=25_000, out=1_200):
i, o = RATES[model]
return inp / 1e6 * i + out / 1e6 * o
all_opus = 20 * step("claude-opus-5")
split = 3 * step("claude-opus-5") + 17 * step("claude-haiku-4-5")
print(round(all_opus, 2)) # -> 1.24 全部 Opus 5
print(round(split, 2)) # -> 0.40 Plan = Opus 5 / Act = Haiku 4.5モデルの選び方
| 役割 | モデル | Kunavo 入力 / 出力(1M) |
|---|---|---|
| Plan(標準) | claude-opus-5 | $2.00 / $10.00 |
| Act(標準) | claude-haiku-4-5 | $0.40 / $2.00 |
| 詰まった Act の立て直し | claude-opus-5 | $2.00 / $10.00 |
| Plan の別案(Anthropic 定価どおり) | claude-sonnet-5 | $2.00 / $10.00 |
| 別系統のセカンドオピニオン | gpt-5-6-sol | $2.00 / $12.00 |
GPT-5.6 Sol は、プロンプトが 272K トークンを超えるとリクエスト全体が入力 2 倍・出力 1.5 倍で課金されます。Plan に使うなら、Context Window は 272K 未満にしておくのが安全です。Opus と Sonnet の違いをもう少し詳しく知りたい場合は Claude Opus と Sonnet の違い、Claude 全モデルの単価は Claude の料金 にまとめています。
費用を抑える 5 つの習慣
- タスクを引き延ばさず、区切って新しいタスクにする。毎ステップ全履歴を送り直すので、長いタスクほど 1 ステップが高くなります。いちばん効く習慣です。
- プロンプトキャッシュを使うなら Anthropic プロバイダー経由にする。API Provider を「Anthropic」にし、「Use custom base URL」にチェックを入れて
https://api.kunavo.comを指定します(/v1は付けません。クライアントが/v1/messagesを付け足します)。Claude のキャッシュ読み出しは入力単価の 10%、書き込みは入力単価の 1.25 倍です。仕組みは キャッシュのドキュメント に。 - 決めごとは
.clinerules/に書く。プロジェクトのルートに置く Markdown で、すべての会話に効く指示になります。毎回のリクエストに含まれるので、短く、決めごとだけにします(Cline のルールのドキュメント)。 - 自動承認は読み取り系だけにする。Auto Approve でファイルの読み取りなどを許可すると確認が減ります。すべてを自動承認する YOLO モードは、Cline のドキュメント自身が危険だと明記しているとおり、使い捨ての環境だけで使います。変更は Checkpoints で巻き戻せます。
- Cline 専用のキーを作り、月の上限額を決める。
/app/keysではキーごとに月の利用上限(到達すると 402 を返す)と IP の許可リストを設定できます。エディタを止めたいときも、そのキーを無効にするだけです。
正直に — サブスクや直接契約が向く場合
Claude Pro / Max を契約しているなら、Cline の「Claude Code」プロバイダーを選ぶ方法もあります。インストール済みの Claude Code CLI を経由して、トークン課金ではなくサブスクの利用枠を使う形です。Cline のドキュメントによると、この方式では画像のアップロードとプロンプトキャッシュが制限され、応答がトークン単位でストリーミングされないことがあります。利用枠の上限はチャットや Claude Code と共有なので、その仕組みは Claude Pro の制限 を参照してください。
API キーで使う場合、Kunavo 経由は共有の容量で動いていて、専用のクォータも契約上の SLA もありません。保証が必要なチームは Anthropic と直接契約してください。個人や小さなチームが Cline を回す用途なら、1 本のキーで Plan と Act を分けられる従量課金が向いています。
Roo Code の使い方との違い
Roo Code は Cline から派生した拡張機能で、OpenAI Compatible の設定(Base URL・キー・モデル)がそのまま使えます。違いはモードの構成で、Plan / Act の代わりに Architect・Code・Ask・Debug などのモードがあり、モードごとに API 設定プロファイルを割り当てます。Architect に Opus 5、Code に安いモデル、という同じ考え方がそのまま使えます。手順は Roo Code の設定ドキュメント と Roo Code + Claude API(英語)にあります。
英語版のさらに詳しい解説は Cline + Claude API ガイド、ターミナル型のエージェントと比べたい場合は Cline と Claude Code の比較 と Claude Code の使い方 を、全モデルの単価は 料金ページ を見てください。
よくある質問
Cline とは何ですか?無料で使えますか?
Cline は VS Code などのエディタで動く、オープンソースの AI コーディングエージェントです。拡張機能自体は無料ですが、モデルは同梱されていないため、呼び出した分のモデル料金がかかります。払い方は、API キーでトークン単位の従量課金にするか、Claude Pro / Max を契約していれば「Claude Code」プロバイダー経由でサブスクの利用枠を使うかのどちらかです。
Cline の API キーはどこで取得しますか?
使うプロバイダーで発行します。Kunavo なら登録して残高を入れ($10 から)、/app/keys で sk-kn- から始まるキーを作ります。キーは一度しか表示されないのでその場で保存し、Cline の設定の API Key 欄に貼り付けます。Anthropic の API を直接使う場合は、Anthropic のコンソールで発行します。
Cline で Claude を使うにはどう設定しますか?
API Provider を OpenAI Compatible にし、Base URL に https://api.kunavo.com/v1、API Key に sk-kn- のキー、Model ID に claude-opus-5 などのモデル名を入れます。Base URL の /v1 を省くと 404 になり、401 が返るならキーの誤りです。Anthropic プロバイダーを使う場合は「Use custom base URL」にチェックを入れ、/v1 を付けない https://api.kunavo.com を指定します。
Cline の Plan モードと Act モードの違いは何ですか?
Plan モードはコードを読み、検索し、方針を相談するモードで、ファイルの変更やコマンドの実行はできません。Act モードは Plan での会話の文脈を引き継いだまま、実際にファイルを編集しコマンドを実行します。Plan で計画を固め、納得してから Act に切り替えるのが基本の使い方です。
Plan と Act で別のモデルを使うにはどうしますか?
Cline の設定で「Use different models for Plan and Act」にチェックを入れ、Plan と Act それぞれでモデルを選びます。Base URL とキーは同じまま Model ID だけを変えればよく、たとえば Plan に claude-opus-5、Act に claude-haiku-4-5 を割り当てます。Input Price と Output Price もモデルごとに入れておくと、Cline が表示する費用が正しくなります。
Cline の 1 タスクの費用はどれくらいですか?
費用は時間ではなくステップ数で決まります。1 ステップを入力 25,000 / 出力 1,200 トークン、1 タスクを 20 ステップとすると、Kunavo の単価で全部 Claude Opus 5 なら約 $1.24、Plan を Opus 5・Act を Claude Haiku 4.5 に分けると約 $0.40 です。長いタスクほど毎回送り直す履歴が増えるので、区切って新しいタスクにするのが最も効く節約です。
Claude Pro や Max のサブスクで Cline は使えますか?
使えます。Cline の「Claude Code」プロバイダーを選ぶと、インストール済みの Claude Code CLI を経由して、トークン課金ではなくサブスクの利用枠を使います。Cline のドキュメントでは、この方式は画像のアップロードとプロンプトキャッシュが制限されるとされています。利用枠の上限はチャットや Claude Code と共有です。
Roo Code の使い方は Cline と同じですか?
基本は同じです。Roo Code は Cline から派生した拡張機能で、OpenAI Compatible の Base URL・キー・モデルの設定がそのまま使えます。違いはモードの構成で、Architect・Code・Ask・Debug などのモードごとに API 設定プロファイルを割り当てられるので、Architect に強いモデル、Code に安いモデルという分け方ができます。