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使い方·2026年9月11日·読了9分

Cline の使い方 — Plan と Act にモデルを分けて、1 タスクの費用まで計算する

入門記事の多くはインストールと最初の依頼で終わります。その次 — Plan と Act にモデルを分ける設定と、1 タスクにいくらかかるか — までを通します。

Cline は VS Code などのエディタで動く、オープンソースの AI コーディングエージェントです。使い方は 3 段階 — 拡張機能を入れる、API プロバイダーとキーを設定する(Cline 自体にモデルは入っていません)、Plan モードで計画を立ててから Act モードで実行する。費用を決めるのは Plan と Act に割り当てるモデルで、設定の「Use different models for Plan and Act」をオンにし、Plan に claude-opus-5、Act に claude-haiku-4-5 を同じキーで割り当てると、20 ステップのタスクが全部 Opus 5 の約 $1.24 から$0.40に下がります(Kunavo の単価で計算)。

日本語の解説記事の多くは、インストールと最初の依頼までで終わり、モデルは無料モデルか 1 つの有料モデルに固定したままです。このページはその次 — Plan と Act にモデルを分ける設定と、1 タスクの費用の計算 — までを 1 本のキーで通します。

Cline とは — Plan と Act の 2 つのモード

Cline はファイルを読み、差分を提案し、ターミナルでコマンドを実行し、その結果を読んでまた直す、というループを回すエージェントです。モードは 2 つあり、Cline の公式ドキュメントでは次のように分かれています。

  • Plan モード:コードベースを読み、検索し、方針を相談する。ファイルの変更やコマンドの実行はできない。
  • Act モード:Plan での会話の文脈を引き継いだまま、ファイルを変更し、コマンドを実行する。

この分け方が、そのまま費用の分け方になります。Plan は往復が少なく、ここでの判断の質が後に続く十数ステップを左右します。Act は往復が多く、毎回タスクの文脈を送り直すので、トークン単価が積み上がります。強いモデルを Plan に、安いモデルを Act に — Cline のドキュメント自身も、計画には推論の強いモデル、実装には速いモデルという組み合わせを挙げています。

インストールと最初の設定

  1. VS Code で拡張機能ビュー(Ctrl / Cmd + Shift + X)を開き、「Cline」を検索してインストールします。Cursor、Windsurf、JetBrains の IDE などにも入ります。
  2. サイドバーの Cline を開き、設定(⚙︎)で API Provider に「OpenAI Compatible」を選びます。
  3. Base URL、API Key、Model ID を入れ、Model Configuration の欄(コンテキスト長、最大出力、画像対応、入力・出力の単価)を埋めます。
Cline の設定(⚙︎)
API Provider   OpenAI Compatible
Base URL       https://api.kunavo.com/v1   # /v1 まで入れる
API Key        sk-kn-...                    # /app/keys で発行(表示は一度きり)
Model ID       claude-opus-5

Base URL は /v1 まで入れてください。Cline はその後ろにルートだけを付け足すので、/v1 が無いと 404 になります。401 が返るなら URL は合っていて、キーが違います。いきなり編集を任せず、まず「このファイルを説明して」のような小さな依頼で接続を確かめるのが安全です。キーは /app/keys で発行し、表示は一度きりなのでその場で保存します。

Model Configuration の Input Price / Output Price は、Cline がタスク中に表示する費用の計算元です。エンドポイントから自動では取得されないので、空欄や既定値のままだと表示される費用がずれます。使うモデルの 1M トークンあたりの単価を入れておきます。設定項目の一覧は Cline の連携ドキュメント にあります。

Plan と Act にモデルを分ける

設定で「Use different models for Plan and Act」にチェックを入れると、Plan 側と Act 側で別々のモデルを選べるようになります。Base URL とキーは両方同じで、変えるのは Model ID と単価だけです。

Plan / Act を別モデルにする
[✓] Use different models for Plan and Act

── Plan Mode ─────────────────────────────
API Provider       OpenAI Compatible
Base URL           https://api.kunavo.com/v1
API Key            sk-kn-...
Model ID           claude-opus-5
  Context Window     200000
  Max Output Tokens  64000
  Image Support      on
  Input Price        2.00      # 1M トークンあたり USD
  Output Price       10.00

── Act Mode ──────────────────────────────
API Provider       OpenAI Compatible
Base URL           https://api.kunavo.com/v1
API Key            sk-kn-...            # Plan と同じキーでよい
Model ID           claude-haiku-4-5
  Context Window     200000
  Max Output Tokens  64000
  Image Support      on
  Input Price        0.40
  Output Price       2.00

Plan に Opus 5 を置く理由は単純です。Plan は全体のトークンのごく一部なのに、ここで方針を誤ると Act のステップが丸ごと無駄になります。Act に Haiku 4.5 を置くのは、計画が具体的なら残りは編集と実行の繰り返しで、ここでトークン単価が一番効くからです。

Kunavo では Claude Opus 5 と Claude Sonnet 5 が同じ単価なので、Plan を Sonnet 5 にしても費用は下がりません。Plan は Opus 5 で足ります。Claude Sonnet 5 は Anthropic の定価と同額($2.00 / $10.00)で販売しており、割引はありません。

Act が詰まったら、そのタスクだけ Act を Opus 5 に上げます。同じエラーを 2 回繰り返したら切り替えの合図です。Haiku で押し切ろうとしてステップ数が膨らむほうが、結局高くつきます。設定の Model ID を 1 つ変えるだけで、キーもエンドポイントもそのままです。

1 タスクの費用を計算する

Cline は 1 ステップごとにシステムプロンプト、タスクの履歴、読んだファイルを送り直すので、費用は時間ではなくステップ数で決まります。このサイトの他の料金ページと同じく、1 ステップを入力 25,000 / 出力 1,200 トークン、1 タスクを 20 ステップ(Plan 3 + Act 17)として計算します。

構成1 タスク(Kunavo)同じ構成を Anthropic の定価で
全部 Claude Opus 5$1.24$3.10
Plan = Opus 5 / Act = Haiku 4.5$0.40$0.99
全部 Claude Haiku 4.5$0.25$0.62

Plan と Act を分けると、全部 Opus 5 で回す場合の32%の費用で、計画の質は Opus 5 のまま残せます。全部 Haiku にすればさらに安くなりますが、計画の誤りでやり直しが出ることを考えると、差額の $0.15 は Plan の保険料として安いほうです。検算用のコードはこれだけです。

cline_task_cost.py
# 1 タスクの費用を、ステップ数から出す。
# 単価は Kunavo の 1M トークンあたり USD (input, output)。
RATES = {
    "claude-opus-5":    (2.00, 10.00),
    "claude-haiku-4-5": (0.40, 2.00),
}

def step(model, inp=25_000, out=1_200):
    i, o = RATES[model]
    return inp / 1e6 * i + out / 1e6 * o

all_opus = 20 * step("claude-opus-5")
split = 3 * step("claude-opus-5") + 17 * step("claude-haiku-4-5")

print(round(all_opus, 2))   # -> 1.24  全部 Opus 5
print(round(split, 2))      # -> 0.40  Plan = Opus 5 / Act = Haiku 4.5

モデルの選び方

役割モデルKunavo 入力 / 出力(1M)
Plan(標準)claude-opus-5$2.00 / $10.00
Act(標準)claude-haiku-4-5$0.40 / $2.00
詰まった Act の立て直しclaude-opus-5$2.00 / $10.00
Plan の別案(Anthropic 定価どおり)claude-sonnet-5$2.00 / $10.00
別系統のセカンドオピニオンgpt-5-6-sol$2.00 / $12.00

GPT-5.6 Sol は、プロンプトが 272K トークンを超えるとリクエスト全体が入力 2 倍・出力 1.5 倍で課金されます。Plan に使うなら、Context Window は 272K 未満にしておくのが安全です。Opus と Sonnet の違いをもう少し詳しく知りたい場合は Claude Opus と Sonnet の違い、Claude 全モデルの単価は Claude の料金 にまとめています。

費用を抑える 5 つの習慣

  1. タスクを引き延ばさず、区切って新しいタスクにする。毎ステップ全履歴を送り直すので、長いタスクほど 1 ステップが高くなります。いちばん効く習慣です。
  2. プロンプトキャッシュを使うなら Anthropic プロバイダー経由にする。API Provider を「Anthropic」にし、「Use custom base URL」にチェックを入れて https://api.kunavo.com を指定します(/v1 は付けません。クライアントが /v1/messages を付け足します)。Claude のキャッシュ読み出しは入力単価の 10%、書き込みは入力単価の 1.25 倍です。仕組みは キャッシュのドキュメント に。
  3. 決めごとは .clinerules/ に書く。プロジェクトのルートに置く Markdown で、すべての会話に効く指示になります。毎回のリクエストに含まれるので、短く、決めごとだけにします(Cline のルールのドキュメント)。
  4. 自動承認は読み取り系だけにする。Auto Approve でファイルの読み取りなどを許可すると確認が減ります。すべてを自動承認する YOLO モードは、Cline のドキュメント自身が危険だと明記しているとおり、使い捨ての環境だけで使います。変更は Checkpoints で巻き戻せます。
  5. Cline 専用のキーを作り、月の上限額を決める。/app/keys ではキーごとに月の利用上限(到達すると 402 を返す)と IP の許可リストを設定できます。エディタを止めたいときも、そのキーを無効にするだけです。

正直に — サブスクや直接契約が向く場合

Claude Pro / Max を契約しているなら、Cline の「Claude Code」プロバイダーを選ぶ方法もあります。インストール済みの Claude Code CLI を経由して、トークン課金ではなくサブスクの利用枠を使う形です。Cline のドキュメントによると、この方式では画像のアップロードとプロンプトキャッシュが制限され、応答がトークン単位でストリーミングされないことがあります。利用枠の上限はチャットや Claude Code と共有なので、その仕組みは Claude Pro の制限 を参照してください。

API キーで使う場合、Kunavo 経由は共有の容量で動いていて、専用のクォータも契約上の SLA もありません。保証が必要なチームは Anthropic と直接契約してください。個人や小さなチームが Cline を回す用途なら、1 本のキーで Plan と Act を分けられる従量課金が向いています。

Roo Code の使い方との違い

Roo Code は Cline から派生した拡張機能で、OpenAI Compatible の設定(Base URL・キー・モデル)がそのまま使えます。違いはモードの構成で、Plan / Act の代わりに Architect・Code・Ask・Debug などのモードがあり、モードごとに API 設定プロファイルを割り当てます。Architect に Opus 5、Code に安いモデル、という同じ考え方がそのまま使えます。手順は Roo Code の設定ドキュメント Roo Code + Claude API(英語)にあります。

英語版のさらに詳しい解説は Cline + Claude API ガイド、ターミナル型のエージェントと比べたい場合は Cline と Claude Code の比較 Claude Code の使い方 を、全モデルの単価は 料金ページ を見てください。

よくある質問

Cline とは何ですか?無料で使えますか?

Cline は VS Code などのエディタで動く、オープンソースの AI コーディングエージェントです。拡張機能自体は無料ですが、モデルは同梱されていないため、呼び出した分のモデル料金がかかります。払い方は、API キーでトークン単位の従量課金にするか、Claude Pro / Max を契約していれば「Claude Code」プロバイダー経由でサブスクの利用枠を使うかのどちらかです。

Cline の API キーはどこで取得しますか?

使うプロバイダーで発行します。Kunavo なら登録して残高を入れ($10 から)、/app/keys で sk-kn- から始まるキーを作ります。キーは一度しか表示されないのでその場で保存し、Cline の設定の API Key 欄に貼り付けます。Anthropic の API を直接使う場合は、Anthropic のコンソールで発行します。

Cline で Claude を使うにはどう設定しますか?

API Provider を OpenAI Compatible にし、Base URL に https://api.kunavo.com/v1、API Key に sk-kn- のキー、Model ID に claude-opus-5 などのモデル名を入れます。Base URL の /v1 を省くと 404 になり、401 が返るならキーの誤りです。Anthropic プロバイダーを使う場合は「Use custom base URL」にチェックを入れ、/v1 を付けない https://api.kunavo.com を指定します。

Cline の Plan モードと Act モードの違いは何ですか?

Plan モードはコードを読み、検索し、方針を相談するモードで、ファイルの変更やコマンドの実行はできません。Act モードは Plan での会話の文脈を引き継いだまま、実際にファイルを編集しコマンドを実行します。Plan で計画を固め、納得してから Act に切り替えるのが基本の使い方です。

Plan と Act で別のモデルを使うにはどうしますか?

Cline の設定で「Use different models for Plan and Act」にチェックを入れ、Plan と Act それぞれでモデルを選びます。Base URL とキーは同じまま Model ID だけを変えればよく、たとえば Plan に claude-opus-5、Act に claude-haiku-4-5 を割り当てます。Input Price と Output Price もモデルごとに入れておくと、Cline が表示する費用が正しくなります。

Cline の 1 タスクの費用はどれくらいですか?

費用は時間ではなくステップ数で決まります。1 ステップを入力 25,000 / 出力 1,200 トークン、1 タスクを 20 ステップとすると、Kunavo の単価で全部 Claude Opus 5 なら約 $1.24、Plan を Opus 5・Act を Claude Haiku 4.5 に分けると約 $0.40 です。長いタスクほど毎回送り直す履歴が増えるので、区切って新しいタスクにするのが最も効く節約です。

Claude Pro や Max のサブスクで Cline は使えますか?

使えます。Cline の「Claude Code」プロバイダーを選ぶと、インストール済みの Claude Code CLI を経由して、トークン課金ではなくサブスクの利用枠を使います。Cline のドキュメントでは、この方式は画像のアップロードとプロンプトキャッシュが制限されるとされています。利用枠の上限はチャットや Claude Code と共有です。

Roo Code の使い方は Cline と同じですか?

基本は同じです。Roo Code は Cline から派生した拡張機能で、OpenAI Compatible の Base URL・キー・モデルの設定がそのまま使えます。違いはモードの構成で、Architect・Code・Ask・Debug などのモードごとに API 設定プロファイルを割り当てられるので、Architect に強いモデル、Code に安いモデルという分け方ができます。