Codex は OpenAI のコーディングエージェントです。基本の使い方は、ターミナルで動く Codex CLI をインストールし(npm install -g @openai/codex)、作業したいリポジトリで codex を起動して、日本語で頼むことです。 使い始める方法は 2 つあります。ChatGPT のプラン(Plus・Pro・Business など)でサインインして利用枠の中で使う方法と、API キーで動かして使ったトークン分だけ払う方法です。日本語の解説記事はほぼ前者だけを扱っているので、このページは後者 — サブスクなしで Codex CLI を動かす設定、タスクごとのモデルの選び方、1 タスクの実額 — を順に説明します。
Codex はチャット画面にコードを貼るツールではなく、リポジトリの中でファイルを読み、書き換え、テストやコマンドを実行するエージェントです。どこまでを確認なしで任せるかは、起動後に /permissions で決められます。
Codex を使う 2 つの方法
| ChatGPT プランでサインイン | API キー(従量課金) | |
|---|---|---|
| 支払い | 月額(プランに含まれる) | 使ったトークン分だけ。月額なし |
| 上限 | プランの利用枠 | 残高と、キーごとに自分で決める月間上限 |
| モデル | OpenAI がプランに用意したもの | エンドポイントが提供するものからタスクごとに選ぶ |
| 始め方 | codex login でブラウザからサインイン | config.toml に 1 ブロック + 環境変数 |
API キーで動かす場合、請求は OpenAI のプランの利用枠とは別に数えられます。OpenAI の API キーをそのまま使うこともできますが、このページでは Responses API 互換のエンドポイントに向ける方法を扱います。GPT-6 Astra から GPT-5.6 Luna までを同じキーで切り替えられ、たとえば GPT-5.6 Sol は OpenAI の定価 $5.00 / $30.00 に対して、1M トークンあたり $2.00 / $12.00 です(料率はカタログから直接読み込んでいます)。
インストール — npm か Homebrew
# npm(Node.js が入っていれば macOS / Linux / Windows 共通)
npm install -g @openai/codex
# Homebrew(macOS)
brew install --cask codexどちらも OpenAI の公式 README に載っている方法です。Windows でも npm のコマンドで入ります。インストールが終わったら、作業したいリポジトリのディレクトリで codex と打てば起動します。ChatGPT でサインインして使う場合はここで完了で、以降の設定は不要です。
API キーで動かす — config.toml に 1 ブロック
まず アカウントを作成し、$10 からチャージして API キーの画面 でキーを作ります。キーは一度しか表示されないので、すぐに控えてください。次に、Codex の設定ファイルにプロバイダを 1 ブロック書きます。
# ~/.codex/config.toml(無ければ作る)
model = "gpt-5-6-sol"
model_provider = "kunavo"
[model_providers.kunavo]
name = "Kunavo"
base_url = "https://api.kunavo.com/v1"
env_key = "KUNAVO_API_KEY" # キーそのものではなく「環境変数の名前」
wire_api = "responses" # 唯一の有効値。省略しても同じここで一番間違えやすいのは env_key です。書くのはキーそのものではなく、キーを入れる環境変数の名前です。キーは設定ファイルに入らないので、config.toml はそのままコミットしたり、質問に貼ったりしても安全です。
# env_key で指定した名前の変数にキーを入れる(キーは sk-kn- で始まる)
export KUNAVO_API_KEY="sk-kn-..."
# 毎回 export しないよう、使っているシェルの設定ファイルに追記しておく
echo 'export KUNAVO_API_KEY="sk-kn-..."' >> ~/.zshrcWindows の PowerShell なら setx KUNAVO_API_KEY sk-kn-... を実行してから、新しいターミナルを開き直します。設定ファイルの場所は %USERPROFILE%\.codex\config.toml です。Codex の起動前に、キーとエンドポイントが正しいかを 1 回のリクエストで確かめておくと、後の切り分けが楽になります。
# Codex を疑う前に、キーとエンドポイントだけを 1 回で確かめる
curl https://api.kunavo.com/v1/responses \
-H "Authorization: Bearer $KUNAVO_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{"model": "gpt-5-6-sol", "input": "OK とだけ返して"}'JSON が返ればキーもエンドポイントも正常で、残る問題があれば config.toml 側です。設定項目の詳細は Codex CLI 連携ドキュメント(英語)に、Claude モデルを Codex から呼ぶ方法まで含めた解説は Codex CLI の API キー設定ガイド(英語) にあります。
最初のタスク
# 1. 作業したいリポジトリに入って起動する
cd ~/work/my-app
codex
# 2. AGENTS.md の雛形を作らせる(テストの実行方法や決めごとを書くファイル)
> /init
# 3. あとは日本語で頼む。ファイル名を添えるほど速く、安く終わる
> src/utils/date.test.ts が落ちている。原因を調べて直し、テストが通るのを確認して/init が作る AGENTS.md は、テストの実行方法、使うライブラリ、触ってはいけないパスなど「コードを読んでも分からない決めごと」を書いておくファイルで、以降のセッションで自動的に読み込まれます。生成された内容は下書きなので、手で直してください。
頼み方のコツは Claude Code と同じで、ファイル名とパスを添えることと、大きな依頼を一度に投げないことです。探索に使うトークンが減るぶん、結果は速く正確になり、請求額も下がります。確認ダイアログの頻度は /permissions で調整できます。Claude Code 側の運用は Claude Code の使い方 にまとめています。
タスクごとにモデルを選ぶ — 1 タスクの実額
API キーで動かす最大の利点は、作業の重さに合わせてモデルを選べることです。model はエンドポイント上のモデル名にすぎないので、切り替えにキーや設定の追加は要りません。
# config.toml の既定(gpt-5-6-sol)はそのまま、この起動だけモデルを変える
codex -m gpt-6-astra # 原因の見えないバグ、設計をまたぐ変更
codex -m gpt-5-6-luna # 一括置換、ログの要約などの軽い作業| 作業 | モデル | 入力 / 出力(1M トークンあたり) | 1 タスクの目安 |
|---|---|---|---|
| 原因の見えないバグ・設計をまたぐ変更 | gpt-6-astra | $4.00 / $20.00 | $2.48 |
| 既定 — 日常の実装と修正 | gpt-5-6-sol | $2.00 / $12.00 | $1.29 |
| テスト追加・定型の修正・コードの説明 | gpt-5-6-terra | $0.70 / $4.20 | $0.451 |
| 一括置換・ログやエラーの要約 | gpt-5-6-luna | $0.07 / $0.42 | $0.045 |
「1 タスク」は、落ちているテストを 1 つ直す作業を 20 ステップと見た計算です。1 ステップは入力 25,000 トークン(システムプロンプト + 会話履歴 + 読んだファイル)と出力 1,200 トークン(1 回の編集や説明)なので、1 タスクで入力 500,000・出力 24,000 トークン。GPT-5.6 Sol なら $1.29、同じトークン数を OpenAI の API 定価で払うと $3.22です。安いモデルほど手戻りで往復が増えることがあるので、1 回で終わらなければ 1 段上げる、という使い方が現実的です。
この計算はキャッシュを考慮していません。Codex は毎ステップ会話履歴を送り直すため、キャッシュに乗った入力は入力単価の 0.10 倍(GPT-5.6 Sol なら 1M トークンあたり $0.20)で課金され、新しくキャッシュに書き込まれる分は入力単価の 1.25 倍です。また GPT-5.6 系と GPT-6 Astra は、1 リクエストのプロンプトが 272K トークンを超えると、そのリクエスト全体が入力 2 倍・出力 1.5 倍で課金されます。1 つのセッションに作業を詰め込みすぎず、タスクごとに起動し直すのが安全です。推論モデルの思考トークンは出力として課金されるため、難しいタスクほど出力も増えます。実額はレスポンスの usage と 利用履歴 で確認してください。モデルの仕様は GPT-5.6 Sol のモデルページ、全モデルの単価は 料金表 にあります。
よくあるエラー
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
401(authentication_error) | キーが間違っているか、env_key の変数が Codex を起動したシェルで空です。export したあとに起動し直したか、env_key にキーそのものを書いていないかを確認します。 |
設定が読み込まれない・wire_api のエラー | 古い記事にある wire_api = "chat" は現在の Codex では無効です。"responses" にするか、行ごと消します。 |
404「Model … is not available」 | モデル名はカタログどおりのハイフン区切り(gpt-5-6-sol)で書きます。OpenAI の表記 gpt-5.6-sol のままだと見つかりません。提供を終えたモデル名も同じエラーになります。 |
すべてのリクエストが 404 | base_url は /v1 で終えます。/responses は Codex が自分で付け足すので、書くと二重になります。 |
402(insufficient_quota) | 残高不足か、キーに設定した月間上限に達しています。エラーメッセージにどちらかが書かれています。 |
403(permission_error) | キーの IP 許可リストに、いまの接続元 IP が入っていません。 |
正直なところ — ChatGPT プランのほうが得なとき
毎日何時間も Codex と対話しながら作業するなら、定額のプランのほうがたいてい安くなります。従量課金はトークンの量にそのまま比例するので、使う量が多く安定している人ほど定額の利点が大きくなります。分岐点は「月額 ÷ 1 タスクの単価」で、プランとの損益分岐は Codex の料金 で計算しています。
ほかにも知っておくべき点が 2 つあります。OpenAI のドキュメントによると、ChatGPT のワークスペースやクラウドに依存する機能は、API キーでの利用では制限されるか使えません。また Kunavo の経路は共有キャパシティで、専用のクォータも契約上の SLA もありません。保証された枠や SLA が必要なら、OpenAI と直接契約するほうが適切です。
逆に API キーが向いているのは、使う日と使わない日の差が大きい人、タスクごとにモデルを選びたい人、チームでキーごとに上限と利用履歴を分けたい人、そしてプランの枠が尽きた日だけ作業を続けたい人です。2 つは両立できます。config.toml の model_provider の行を消せば ChatGPT のサインインに戻り、起動ごとに切り替えたい場合は Codex の --profile が使えます。
支払いはカード(JCB を含む)と Apple Pay などで、残高に有効期限はありません。コンビニ払いと PayPay には対応していません。失敗したリクエストは課金されません。Codex と Claude Code のどちらを使うかで迷っている場合は Codex と Claude Code の比較 を参照してください。
よくある質問
Codex はどうやって使い始めればいいですか?
Codex CLI をインストールし(npm install -g @openai/codex。macOS なら brew install --cask codex でも可)、作業したいリポジトリのディレクトリで codex を起動して日本語で依頼します。認証は 2 通りで、ChatGPT のプランでサインインして利用枠の中で使うか、API キーでトークン単位の従量課金にするかです。API キーの場合は ~/.codex/config.toml にプロバイダを 1 ブロック書き、キーは環境変数で渡します。
Codex は無料で使えますか?
Codex CLI 本体は無料で配布されていますが、モデルの実行には費用がかかります。ChatGPT のプラン(Plus・Pro・Business など)に含まれる利用枠を使うか、API キーでトークン分を払うかのどちらかです。API キーの従量課金には月額がないため、使わなかった月の請求は 0 です。
ChatGPT のサブスクなしで Codex CLI は使えますか?
使えます。Codex CLI は API キーでも動き、その場合は ChatGPT のプランの利用枠ではなく、使ったトークン分の従量課金になります。OpenAI の API キーを渡す方法のほか、Responses API 互換のエンドポイントを config.toml の model_providers に登録する方法があります。Kunavo の場合、base_url は https://api.kunavo.com/v1、既定のモデルは gpt-5-6-sol です。
Codex CLI のインストール方法は?
npm install -g @openai/codex が macOS・Linux・Windows に共通の方法で、macOS なら brew install --cask codex でも入ります。インストールが終わったら、作業したいリポジトリのディレクトリで codex と打つと起動します。
VS Code の拡張機能でも API キーで使えますか?
使えます。Codex の IDE 拡張は CLI と同じ ~/.codex/config.toml を読むため、model_providers のブロックがそのまま効きます。設定を書き換えたあとはエディタを再起動してください。
Codex CLI ではどのモデルを使えばいいですか?
既定は gpt-5-6-sol(1M トークンあたり $2.00 / $12.00)で足ります。原因の見えないバグや設計をまたぐ変更だけ gpt-6-astra($4.00 / $20.00)に上げ、定型の修正は gpt-5-6-terra($0.70 / $4.20)、置換や要約のような軽い作業は gpt-5-6-luna($0.07 / $0.42)に下げます。切り替えは codex -m <モデル名> で、その起動にだけ効きます。
Codex CLI で 401 エラーが出るのはなぜですか?
ほぼすべて、キーが Codex に届いていないことが原因です。config.toml の env_key に書くのはキーそのものではなく環境変数の名前(例: KUNAVO_API_KEY)で、その変数を export したシェルから codex を起動する必要があります。別のタブで export した、export する前から Codex を起動していた、というのが典型的なパターンです。
ChatGPT のプランと API キー、どちらが得ですか?
使う量で決まります。毎日長時間 Codex と対話しながら作業するなら、定額のプランのほうがたいてい安くなります。使う日と使わない日の差が大きい、タスクごとにモデルを選びたい、チームでキーごとに上限を付けたい、という場合は API キーが向いています。目安は「月額 ÷ 1 タスクの単価」で、gpt-5-6-sol なら 1 タスク(入力 50 万・出力 2.4 万トークン)が約 $1.29 です。