OpenRouter とは、数百の AI モデルを 1 つの API で呼べるようにする中継サービス(ルーター)です。OpenAI 互換の API なので、OpenAI の SDK の base_url を https://openrouter.ai/api/v1 に向け、anthropic/… や openai/… のように提供元付きのモデル ID を指定するだけで、各社のモデルを 1 本のキーで使えます。料金は、モデルの単価は提供元と同じ(上乗せなし)で、クレジットを購入するときに 5.5%(最低 $0.80)の手数料がかかる仕組みです(暗号資産での支払いは 5%)。ID の末尾に :free が付く無料モデルもあり、1 日 50 回(累計 $10 以上購入していれば 1 日 1,000 回)まで使えます。
このページの OpenRouter についての記述は、すべて OpenRouter 自身の公開ドキュメント(FAQ、料金ページ、レート制限のページなど。2026 年 9 月時点)に基づき、該当箇所に出典をリンクしています。後半の「別の形のゲートウェイが向くケース」は、このサイトを運営する Kunavo の立場からの比較です。自社製品の話なので、その前提で読んでください。
OpenRouter の仕組み
利用者は OpenRouter のアカウントを 1 つ持ち、リクエストのたびにモデル名で使うモデルを選びます。OpenRouter のクイックスタートのとおり、既存の OpenAI SDK のコードは base_url とキーを変えるだけで動きます。
同じモデルを複数の事業者が提供している場合、OpenRouter は既定で上位の事業者に負荷を分散して稼働率を保ちます(Provider Routing)。models パラメータに代わりのモデルを並べておけば、元のモデルが落ちている・レート制限にかかったときに自動で次を試し、料金は実際に使われたモデルの単価で計算されます(Model Fallbacks)。
API はチャット補完が中心ですが、それだけではありません。専用の 画像生成 API と非同期の 動画生成 API があり、Anthropic 形式のエンドポイント経由で Claude Code から使う手順 も公開されています。「OpenRouter はテキスト専用」という説明は、2026 年 9 月時点ではもう正しくありません。
OpenRouter の料金と手数料
要点は「モデルの単価は提供元と同じ、手数料はクレジット購入時にかかる」です。以下は OpenRouter の FAQ と 料金ページ の記載(2026 年 9 月時点)をまとめたものです。
| 項目 | OpenRouter の公開情報 |
|---|---|
| モデルの単価 | 提供元と同じ。推論料金への上乗せはなし |
| クレジット購入時の手数料 | 5.5%(最低 $0.80)。暗号資産(USDC)での支払いは 5% |
| 無料モデル | 25 以上。1 分 20 回・1 日 50 回(累計 $10 以上購入で 1 日 1,000 回) |
| 自分のキーの持ち込み(BYOK) | 従量課金プランは月 $25,000 分まで手数料なし、超過分は通常料金の 5% |
| クレジットの有効期限 | 購入から 1 年が過ぎた未使用分を失効させる権利を規約で留保 |
| 返金 | 未使用分は購入から 24 時間以内なら申請可。暗号資産の支払いは返金不可 |
| 支払い方法 | 主要なクレジットカード、Alipay、USDC(PayPal は対応作業中) |
手数料には最低額があるので、少額のチャージほど割合が大きくなります。$10 のチャージなら手数料は最低額の $0.80(8%)、$100 なら $5.50 です。料金は変わることがあるので、契約前には上のリンク先で最新の記載を確認してください。
無料モデルの使い方と制限
モデル ID の末尾に :free を付けると無料版を呼べます。制限は レート制限のページ によると 1 分あたり 20 回、1 日 50 回で、累計 $10 以上クレジットを購入していれば 1 日 1,000 回に上がります。無料版は有料版とレート制限や提供状況が異なることがある、とドキュメントにも書かれています。
試す・学ぶ・個人の小さなツールには十分ですが、1 日の上限があるので、止まっては困る処理には向きません。Cline のようなコーディングエージェントは 1 つの作業でモデルを数十回呼ぶので、無料枠はすぐに尽きます。
OpenRouter の使い方
- openrouter.ai でアカウントを作る。
- 有料モデルを使うならクレジットを購入する(無料モデルだけなら不要)。
- API キーを発行する。
- OpenAI の SDK の
base_urlをhttps://openrouter.ai/api/v1に向け、提供元付きのモデル ID で呼ぶ。
import os
from openai import OpenAI
# OpenRouter — モデル ID は「提供元/モデル名」の形
openrouter = OpenAI(
base_url="https://openrouter.ai/api/v1",
api_key=os.environ["OPENROUTER_API_KEY"],
)
r = openrouter.chat.completions.create(
model="anthropic/claude-sonnet-4.6",
messages=[{"role": "user", "content": "OpenRouter とは何か、1 文で"}],
)
# 無料モデルは ID の末尾に :free(例は OpenRouter のドキュメントのもの。
# 提供状況と 1 日の回数制限は OpenRouter 側で変わる)
free = openrouter.chat.completions.create(
model="meta-llama/llama-3.2-3b-instruct:free",
messages=[{"role": "user", "content": "こんにちは"}],
)
# Kunavo — 変わるのは base_url、キー、モデル ID の書き方の 3 つだけ
kunavo = OpenAI(
base_url="https://api.kunavo.com/v1",
api_key=os.environ["KUNAVO_API_KEY"], # sk-kn-...
)
r = kunavo.chat.completions.create(
model="claude-sonnet-4-6",
messages=[{"role": "user", "content": "OpenRouter とは何か、1 文で"}],
)最後の 3 行のとおり、OpenAI 互換のゲートウェイ同士の移行で変わるのは base_url、キー、モデル ID の書き方だけです。OpenRouter は anthropic/claude-sonnet-4.6 のように提供元の接頭辞を付け、Kunavo は claude-sonnet-4-6 のように付けません。キーの作成から最初の呼び出しまでは Kunavo のクイックスタート にあります。
OpenRouter が強いところ
- モデルの幅。オープンソースの派生モデルまで含む数百のモデルを 1 つの API で選べます。ロングテールのモデルが必要なら、OpenRouter に代わるものはほぼありません。
- 無料モデル。25 以上の無料モデルがあり、1 日の上限の範囲で費用ゼロで試せます。
- 同じモデルを複数の事業者から。事業者間の負荷分散と代替モデルへの自動切り替えが、設定なしで効きます。
- 自分のキーの持ち込み。各社と直接結んだ契約のキーを OpenRouter 経由で使え、月 $25,000 分までは手数料がかかりません。
- 暗号資産で払える。USDC での支払いに対応しています。
テキストモデルの幅と無料モデルが主な目的なら、OpenRouter のままが合理的です。乗り換える強い理由はありません。
別の形のゲートウェイが向くケース(ここからは Kunavo の立場)
OpenRouter は「提供元の定価そのまま + 購入時の手数料」の形です。Kunavo は逆の形で、提供元の定価からモデルごとに割り引いた単価で売っています。チャージは $10 から残高 $10.00 で、$100 以上のチャージには上乗せが付きます($100 → $110.00、$1,000 → $1,250.00、$5,000 → $7,000.00)。
| モデル | Kunavo 入力 / 出力(1M) | 提供元の定価 | 差 |
|---|---|---|---|
| Claude Opus 5 | $2.00 / $10.00 | $5.00 / $25.00 | 約 60% 下 |
| Claude Haiku 4.5 | $0.40 / $2.00 | $1.00 / $5.00 | 約 60% 下 |
| GPT-5.6 Sol | $2.00 / $12.00 | $5.00 / $30.00 | 約 60% 下 |
| Claude Sonnet 5 | $2.00 / $10.00 | $2.00 / $10.00 | 定価と同額 |
割引の幅はモデルごとに違い、Claude Sonnet 5 のように定価と同額のモデルもあります。月の費用で比べると、Claude Opus 5 を入力 1,000 万・出力 100 万トークン使う場合、提供元の定価では $75.00(OpenRouter の FAQ のとおり提供元と同じ単価なら、ここに購入手数料が加わって約 $79.13)、Kunavo では $30.00です。Claude Sonnet 5 は Kunavo も定価と同額なので、差は OpenRouter の購入手数料の分だけになります。全モデルの単価は 料金ページ、Claude のモデル別の比較は Claude の料金 にあります。
単価以外の違いは 3 つです。
- 画像・動画・音楽が同じキーで。OpenRouter にも画像と動画の API がありますが、Kunavo の画像 API は OpenAI の images API と同じ形(
/v1/images/generations・/v1/images/edits)なので、OpenAI SDK のimages.generateがそのまま動きます。音楽生成(Suno)も同じキーで呼べます。OpenRouter のドキュメントには、音楽生成のページは見当たりませんでした(2026 年 9 月時点)。 - 日本から払いやすい。Stripe のチェックアウトで、JCB を含むカード(Visa、Mastercard、American Express、JCB、UnionPay)、Apple Pay、Alipay、WeChat Pay などが使えます。コンビニ払いと PayPay には対応していません。
- 残高に有効期限がない。使わなかった月の請求はなく、失敗したリクエストは課金されません。
そして、Kunavo が不利な点もはっきり書いておきます。共有の容量で動いていて、専用のクォータも契約上の SLA もありません。保証が必要なら各社と直接契約してください。モデルは主要な最新モデルに絞っているのでロングテールはなく、無料モデルもなく、暗号資産での支払いにも対応していません。
項目ごとの並列比較は Kunavo と OpenRouter の比較表(英語)、OpenRouter 以外の選択肢も含めた一覧は OpenRouter の代替サービス(英語)にまとめています。
よくある質問
OpenRouter とは何ですか?
OpenRouter は、数百の AI モデルを 1 つの API で呼べるようにする中継サービス(ルーター)です。OpenAI 互換の API なので、OpenAI の SDK の base_url を https://openrouter.ai/api/v1 に向け、anthropic/… や openai/… のような提供元付きのモデル ID を指定するだけで、各社のモデルを 1 本のキーと 1 つの残高で使えます。同じモデルを複数の事業者が提供している場合は、事業者間の振り分けや代替モデルへの切り替えも行います。
OpenRouter の料金と手数料はいくらですか?
OpenRouter の FAQ によると、モデルの単価は提供元と同じで推論料金への上乗せはなく、代わりにクレジットを購入するときに 5.5%(最低 $0.80)の手数料がかかります。暗号資産(USDC)での支払いは 5% です。$10 のチャージなら手数料は最低額の $0.80、$100 なら $5.50 です。いずれも 2026 年 9 月時点の OpenRouter の公開情報です。
OpenRouter は無料で使えますか?
モデル ID の末尾に :free が付く無料モデルなら無料で使えます。OpenRouter の料金ページでは無料モデルは 25 以上とされ、制限は 1 分あたり 20 回、1 日 50 回です。累計で $10 以上のクレジットを購入していれば、1 日の上限は 1,000 回に上がります。有料モデルは使った分だけクレジットから引かれます。
OpenRouter の使い方は?
openrouter.ai でアカウントを作り、有料モデルを使うならクレジットを購入して、API キーを発行します。あとは OpenAI の SDK の base_url を https://openrouter.ai/api/v1 に向け、anthropic/claude-sonnet-4.6 のような提供元付きのモデル ID で呼ぶだけです。無料モデルだけなら、クレジットを買わなくても 1 日 50 回まで試せます。
OpenRouter のクレジットに有効期限はありますか?
OpenRouter の FAQ には、規約上、購入から 1 年が過ぎた未使用のクレジットを失効させる権利を留保している、と書かれています。返金は、未使用のクレジットについて購入から 24 時間以内なら申請でき、暗号資産での支払いは返金されません。Kunavo の残高には有効期限がありません。
日本から OpenRouter に支払えますか?
OpenRouter の FAQ に載っている支払い方法は、主要なクレジットカード、Alipay、USDC の暗号資産で、PayPal は対応作業中とされています。海外決済に使えるカードがあれば支払えます。Kunavo は Stripe のチェックアウトで、JCB を含むカード、Apple Pay、Alipay、WeChat Pay などに対応しています(コンビニ払いと PayPay は非対応)。
OpenRouter の代わりになるサービスはありますか?
何を重視するかで分かれます。定価から割り引いた単価と、画像・動画・音楽まで 1 本のキーで使えることを重視するなら Kunavo(このページの運営元です)。自分の各社のキーをまとめて自前で運用したいなら、LiteLLM のようなセルフホスト型のプロキシ。テキストモデルの幅や無料モデルが目的なら、OpenRouter のままが合理的です。
OpenRouter から別のゲートウェイに移行するのは大変ですか?
OpenAI 互換のゲートウェイ同士なら、変えるのは base_url、API キー、モデル ID の書き方の 3 つだけです。Kunavo の場合、base_url は https://api.kunavo.com/v1、キーは sk-kn- から始まり、モデル ID は OpenRouter の anthropic/claude-sonnet-4.6 に対して claude-sonnet-4-6 のように提供元の接頭辞が付きません。